微笑がえし 歌手:キャンディーズ 作詞:阿木燿子
1978年2月リリース、キャンディーズ17枚目のシングル。この曲をリリース後に解散。キャンディーズとしても活動期間内ラスト・シングルになりました。あまりにも有名過ぎる曲で「今更?」的な感じですが、引っ越しシーズンになるとついつい聴きたくなり(笑)取り上げてみます。

歌詞はこちらで。
解散を目の前の“ラストシングル”に相応しく、彼女たちのこれまでのヒット曲のタイトルが歌詞の中に網羅されています。
それらを一覧にしてみると、
- 春一番が掃除したての…→『春一番』
- 罠にかかったうさぎ…→『罠』
- ハートのエースが出てきました…→『ハートのエースが出てこない』
- 何年経っても年下の人…→『年下の男の子』
- やさしい悪魔と住み慣れた…→『やさしい悪魔』
- 1(アン)2(ドゥ)3(トロワ)…→『アン・ドゥ・トロワ』
こんな感じで、なんともお得感がある、パラエティパック的な歌詞になっています。
内容としては、同棲生活を送っていた男女がお互いの新生活の為に別れる場面が描かれています。非常にシンプルで分かりやすく、すらすらと読み進められる歌詞だと思いきや、一箇所、「うん?」と思うフレーズが。
1コーラス目のBメロです。
お引っ越しのお祝い返しも 済まないうちに またですね
https://www.uta-net.com/song/4203/
このカップルは今住んでいる場所に引っ越してきた時にお祝いをもらっています。そのお祝い返しが済まないうち…短期間でまた引っ越す事になったのでしょうか。でもその直前のAメロで
春一番が 掃除したてのサッシの窓に ほこりの渦を踊らせてます 机本箱 運び出された荷物のあとは 畳の色がそこだけ若いわ
https://www.uta-net.com/song/4203/
溜まった埃、家具で隠されていた畳の色が新品のまま等、明らかに長い間住んでた形跡が見られます。引っ越しのお祝い返しをする間も無かった程短期間ではないのです。
この矛盾を考えてみました。ヒントになるのが歴代のヒット曲のタイトルが入ったフレーズ達。
何年たっても 年下の人
https://www.uta-net.com/song/4203/
これはそのままストレートに彼が彼女よりも年下という事。
やさしい悪魔と 住みなれた部屋
https://www.uta-net.com/song/4203/
この『やさしい悪魔』の原曲の歌詞に『私をとりこにする』『私を夢中にする』というフレーズがあります。この女性は年下の男性に惹かれて、虜になったのです。
そして、歌詞の最後に出てくる1(アン)2(ドゥ)3(トロワ)のタイトル。原曲の『アン・ドゥ・トロワ』の中には、『人は誰でも一度だけ すべてを燃やす時がくる』『今がその時もう戻れない』というまるで全てを捨てて駆け落ちするかのようなフレーズが。
これらをつなぎ合わせると、『年下の男性に恋をした女性が、彼の虜になり、全てを捨てて男性の元に走った』という解釈ができます。もしかしたら、女性は既婚者で道ならぬ恋だったのかもしれません。
元々一人暮らしをしていた男性の部屋に女性が転がり込んで同棲を始めた。男性は長くその部屋に住み、女性と同棲をした期間は短かった。二人が一緒に暮らし始めてからもらった引っ越し祝い。そのお祝い返しが済まないうちに同棲を解消してしまったのではないでしょうか。
切なさが際立つフレーズと数字の『3』
それぞれに新しい道を歩いていく決心をした二人。お互い納得しての同棲解消なのですが、そう簡単に割り切れるものではありませんよね。そのためらいが見えるのか各コーラスの最後のフレーズ。
あの三叉路で 軽く手を振り 私たち お別れなんですよ
https://www.uta-net.com/song/4203/
3ツ数えて 見つめ合ったら お別れなんですね
三歩目からは それぞれの道 私たち 歩いて行くんですね 歩いて行くんですね
1コーラス目は『お別れなんですよ』という相手を納得させるようなニュアンス。2コーラス目は『お別れなんですね』という自らに言い聞かせるようなニュアンス。そしてラストでは『歩いていくんですね 歩いていくんですね』と同じフレーズを繰り返し、なんとか前向きな気持で別れようとする二人の切なさを際立たせていると思います。
これらのフレーズでキーワードになるのが『三叉路』『3ツ数えて』『三歩目』に出てくる数字の3。キャンディーズがトリオという事に掛けているのでしょう。
彼の天然ボケな行動に彼女が笑うという場面があります。
おかしくって 涙が出そう
https://www.uta-net.com/song/4203/
この涙はおかしいだけの涙ではなく、悲しさの涙も含まれているのでしょう。前向きな別れの為に涙をこらえていた彼女ですが、笑った拍子に堰が切れ、つい涙が出そうになった。正に『泣き笑い』という表現がピッタリの切ないフレーズですよね。
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