約束の橋

 約束の橋 歌手:佐野元春 作詞:佐野元春

 1989年4月、佐野元春22枚目のシングルとしてリリース。その後1992年10月に牧瀬里穂主演、フジテレビ『二十歳の約束』の主題歌として再リリース、70万枚を売り上げて佐野元春最大のヒットになっています。

 歌詞はこちらで。

 ウィキペディアには、

『当時スランプに陥っていた自身を励ますために書かれた』

と記されています。

 歌詞を読んでみると確かに一生懸命に人生を駆け抜けている自分自身に対して、『君はまちがいじゃない』と声をかける応援歌と取れる内容になっています。

自分の存在価値を認める

 人の生き方でよく『生まれ変わったつもりで頑張る』という表現をされる事があります。心機一転、新たな気持で臨むという所信表明のような感じでしょうが、個人的にあまり好きな表現ではありません。『生まれ変わる』というのはこれまでの自分自身を殺す、亡き者にする意味合いに取れるからです。

 人は誰しも、その人だけの人生を懸命に生きていると思うのです。上手くいかない事ばかりが続いたとしても、昨日までの自分を否定したくは無いのです。

 この曲のサビで繰り返されるフレーズ…

今までの君はまちがいじゃない これからの君はまちがいじゃない

https://www.uta-net.com/song/4564/

 これから新しいチャンジをする自分自身へ、『君は間違っていない。もちろん昨日まで君がやって来た事も間違いじゃない』という思いやりに満ち溢れた言葉に感じます。

 ただ、鼓舞してやる気を引き出すだけでなく、自分自身の存在価値も認めてやる優しい応援歌ではないでしょうか。

来世へ続くための架け橋

 先日、知人が亡くなり葬儀に行きました。斎場の一画に、これまでの故人の人生を紹介するコーナーがあり、笑顏で家族や友達と収まる写真や想い出の品が並べられていました。それらを見ていると『今までの君はまちがいじゃない』というフレーズが頭に浮かんできたのです。

 すると、この歌詞は亡くなった人を敬う鎮魂歌という側面もあるのじゃないかと思えてきたのです。

 1番のAメロとBメロのフレーズ…

君は行く 奪われた暗闇の中に とまどいながら
君は行く ひび割れたまぼろしの中で いらだちながら

君は行く 閉じたバラのつぼみの前で 背伸びしながら
君は行く くるおしくミツバチの群れを すり抜けながら

https://www.uta-net.com/song/4564/

 これらは故人のこれまで歩んできた道。中々上手くいかない人生に戸惑いといらだちを感じ、数々の誘惑や障害をすり抜けながらも懸命に駆け抜けた人生という解釈ができないでしょうか。

 そして、2番のAメロ…

君は唄う あわただしげな街の中を かたむきながら
君は唄う 焦げた胸のありのままに ためらいながら

https://www.uta-net.com/song/4564/

 故人となった今、幽体離脱していつもと変わらない街を見つめつつ、「焦げた胸=思い残した事に対する悔い」にためらっているという風に感じます。

 そしてサビに出てくるとは『橋』は三途の川にかける橋だけでは無く、来世へ続くための架け橋の意味も含まれているのではないでしょうか。

これからの君はまちがいじゃない

https://www.uta-net.com/song/4564/

 このフレーズは、「本当の意味の生まれ変わる君へ。来世もきっと間違いはない」という約束の言葉なのでしょう。

 ちょっと強引な解釈ですが、『約束の橋』とは『約束された来世への架け橋』だと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です