ガラス越しに消えた夏

 ガラス越しに消えた夏 歌手:鈴木雅之 作詞:松本一起

 1986年2月、鈴木雅之のソロシングル1枚目としてリリース。作曲とプロデューサーは大沢誉志幸。後に大沢氏本人もセルフカバーしています。『日清食品カップヌードル』のCMソングとして起用され、地平線の彼方からこちらに向かい外国人の女性ランナーが走ってくる映像が印象に残っています。

 歌詞はこちらで。

 遠い昔に別れてしまった恋人を思い起こす男の姿が目に浮かぶ歌詞です。

 夏の夜明け、車を走らせる男はふとした拍子に別れた彼女との思い出の場所に辿り着きます。二人が別れてしまった一番の理由が描かれているのが1コーラス目のBメロのフレーズです。

君は先を急ぎ 僕は ふり向き過ぎていた
知らずに別の道 いつからか離れてきた

引用元

 二人のベクトルに違いが生じています。先を見据えて進もうとする彼女。過去に拘り後ろばかりを振り向く彼。この二人がどのような立場に置かれていたのかは分かりませんが、このフレーズから推測すると、二人の付き合いは長く、彼女は結婚を意識するようになった。しかし中々踏み切ろうとしない彼。

 二人の間の溝の深さが想像出来るのが、各コーラスのサビのフレーズです。

サヨナラを繰り返し 君は大人になる

サヨナラが言えただけ 君は大人だったね

引用元

 先を急ぎすぎた彼女は、大人の対応をしようと努力しています。何故なら“ときめきと戸惑いを胸にしのばせている”からです。

 そんな彼女を彼は、“君は大人になる”“君は大人だったね”とちょっと上から目線で客観的に語っているように見えますが、実はそうではないのでしょう。逆を返せば、いつまでも子供のままでいた自分を逆説的に表現しているのではないでしょうか。だって、振り向きすぎてばかりの僕だったからです。

 そんな辛い経験も時間が経てば暖かい思い出。それを表しているのが2コーラス目のAメロです。

ツライ夜を数え 瞳くもらせた ガラス越しの波も 今はあたたかい

引用元

 車のフロントガラス越しに見える海。その波の彼方にホロ苦さも暖かい思い出だけを残して消えていくのです。

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