スローバラード

 スローバラード 歌手:RCサクセション 作詞:忌野清志郎&みかん

 1976年1月、RCサクセション6枚目のシングルとしてリリース。日本を代表するR&Bバンド、奇抜な衣装やステージを演出するエンターテーナーとしても名前を残した彼らですが、まだこの時期はスタイルが確立されていなかったような気がします。

 歌詞はこちらで。

 前衛的な作品が多いこの時期の彼らにしては、この曲は極めてシンプルな歌詞、メロディラインのバラードになっています。

昨日はクルマの中で寝た あの娘と手をつないで
市営グランドの駐車場 二人で毛布にくるまって

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 昨夜の出来事という過去形の情景描写。しかもこれは友達か誰かに説明しているのでしょうか。

 狭い車の中で女の子と眠る。毛布に包まったという事は寒い季節なのでしょう。恋人同士なら寒さを凌ぐ為、相手とのスキンシップも含めて抱き合って眠るでしょう。

 でも、あえて「手をつないで」と表現したのは、二人の関係はプラトニックなものか、「友達以上、恋人未満」なのかもしれません。

 場所が市営グランドの駐車場というのは、当てもなく夜のドライブをした後か、二人っきりで過ごす場所を探した結果、お金がない為に選ばれた場所でしょうか。

カーラジオから スローバラード 夜霧が窓をつつんで

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 暗く、静かな車内にラジオの深夜放送でゆったりしたナンバーが流れると、独特の雰囲気になりますよね。

 世間からシャットダウンされた狭い空間、この瞬間だけは現実の悲しさ・儚さを忘れさせてくれるような、そんな雰囲気に。

悪い予感のかけらもないのさ

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 そう、彼にとっては何にも心配するものなんて無かったのです。この空間にだけは。

あの娘のねごとを聞いたんだよ ほんとさ 確かに聞いたんだ

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ぼくら夢を見たのさ とってもよく似た夢を

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 その空間に自分が確かにいた事を立証させるかのように、説明を続けます。あの娘のねごとはどんな言葉だったのでしょうか。そして、二人でいっしょに見た夢とはどんな夢だったのでしょうか。

 RCサクセションは1978年頃より、フォーク形態からロック/R&B形態へと姿を変えて、1980年代に一気にブレイクします。

 この曲をリリースした頃は様々なトラブルに巻き込まれたりする等、不遇な時期でした。

 昨夜の出来事の描写を話している相手は、忌野清志郎本人なのかもしれません。なかなか運が向いてこない自分自身に対して「悪い予感のかけらもないのさ」と語りかけていたのではないでしょうか。これからきっと風向きが変わるという事を信じて。

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